Classici giapponesi con furigana
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トコヨゴヨミ
トコヨゴヨミ
田山 花袋
Leggi トコヨゴヨミ di 田山 花袋 (たやまかたい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.449 caratteri · 38 schermate
暗い暗いプラットホームだった。汽車は大きな眼のように光をかがやかして凄しい地響をさせてその停車場に入って来た。
夥しく混み合った三等室を勇吉の妻は眼の前に浮べた。大きな荷物を抱えて二人は入って行ったが、何処も一杯で坐る処がなかった。妻だけは何うやらこうやら割り込むようにして腰をかけさせて貰ったが、勇吉は大きな荷物を下に置きながら、便所の扉のところに凭りかかっていなければならなかった。それに便所の扉は幾度か明けられたり閉められたりした。後には夫は立ちくたびれて堪らなくなったというようにして荷物の上に腰を掛けた。
大きな町の雪に埋っているさまなども見えた。鮨、弁当、正宗、マッチ、煙草――と長く引張った物売の声が今だに耳について残っているように思われた。海に近い町に来て汽車を下りて、停車場の傍の方の小さな旅舎で朝飯を食った時には、ひどく労れて、一時間でも二時間でも好いから寝て休んで行きたいと妻は思った。其処は勇吉に取っても妻に取っても思い出の多い処であった。結婚した翌年二人は山の中から海を渡って其処に来た。そこに二人は一週間ほどいた。「その時分は楽しかった。