Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ドグラ・マグラ

ドグラ・マグラ

夢野 久作

Leggi ドグラ・マグラ di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 424.847 caratteri · 824 schermate

Aozora Bunko

「ヘエ――。それは誰なんですか一体……」

「よく見ると、それは、自分が手ずから絞め殺して白骨にして除けた筈の黛夫人で、しかも新婚匆々時代の濃艶を極めた装おいだ」

「……オヤオヤ……黛夫人を殺したんじゃなかったんですか」

「まあ黙って聞け。ここいらが一番面白いところだから……そこで呉青秀はスッカリ面喰ったね。ウ――ンと云うなり眼を眩わして終ったが、その黛夫人の幽霊に介抱をされてヤット息を吹き返したので、今一度、気を落ち付けてよく見ると、又驚いた。タッタ今まで新婚匆々時代の紅い服を着ていた黛子さんが、今度は今一つ昔の、可憐な宮女時代の姿に若返って、白い裳を長々と引きはえている。鬢鬟雲の如く、清楚新花に似たり。年の頃もやっと十六か七位の、無垢の少女としか見えないのだ」

「……不思議ですね。そんな事が在り得るものでしょうか」

「ウン。呉青秀も君と同感だったらしいんだ。危くまた引っくり返るところであったが、そのうちに、ようようの思いで気を取り直して、どうしてここに……と抱き上げながら、その少女を頭のテッペンから、爪の先までヨクヨク見上げ見下してみると、何の事だ……それは黛夫人の妹で、双生児の片われの芬子嬢であった」