Classici giapponesi con furigana
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ニッケルのぶんちん
ニッケルの文鎮
甲賀 三郎
Leggi ニッケルの文鎮 (ニッケルのぶんちん) di 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.523 caratteri · 37 schermate
二人で恐々開けると、現在のご亭主が後手に縛られて猿ぐつわをはめられていたんだって、可哀相に二昼夜程自分の家の長持ちに入っていたんだわ。半死半生になっていたのですって。可哀相に、何でも突然、後ろから来て縛られちゃったので、どんな奴にやられたのか少しも分からないというのです。今度こそ正真贋いなしの無電小僧にやられたんだわ。これはほんとうでしょう。今度は無電小僧も新聞に投書しなかったから。それにしてもそれだけの事を家の人に気づかれないでよくやったものねぇ。
その古田がここへ来たというのでしょう。皆びっくりするのは当然だわ。
『ご覧なさい』内野さんはあっけに取られている皆の顔を見ながらいったの。『こうして開けてある本がみんな大形のドイツ語の本でしょう。抽斗でもなんでも大きなものばかり抜いてあるでしょう。私はかねがね先生から聞いていましたが、先生のご研究を盗もうという奴があるのです。それで先生は書き上げると、秘密の場所に隠されるのです。先生のご研究は机の上を見ても分かる通り、みんなフルスカップに書いてあります。だから隠すにしても大形の本か大きい抽斗でなければならないのです。