Classici giapponesi con furigana
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ニッケルのぶんちん
ニッケルの文鎮
甲賀 三郎
Leggi ニッケルの文鎮 (ニッケルのぶんちん) di 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.523 caratteri · 37 schermate
私もお蔭で無事です。
あの日警察へ行く途中で、私が逃げたので驚いたでしょう。私もあの日はかなり骨を折りましたよ。何しろ相手が内野君という豪の者ですからね。あなたにもいろいろ分からない事があるでしょう。だからあなただけにそっと知らせてあげますよ。
事の起こりはね。清水が先生のご研究を横取りした事なんです。先生のご研究というのは戦争に使う毒ガスなので非常に秘密にしておられたのです。それを清水が嗅ぎつけて何の研究だか知らなかったんですが、とにかく金にさえなればというので、借金の返済を楯に、否応なしに取り上げたのです。もっともまだ完成していなかったのですが、大部分は清水の手に渡ったのです。ところがドイツ語で書いてあるので、清水は自分は少しも読めないから、誰かに翻訳を頼まねばならなかったのですが、迂闊には手が出せないので、古田を秘密に呼び寄せて、割のよい報酬で訳させたのです。ところが古田が無断で家を出たものだから、留守宅で騒ぎ出すし、いろいろ物騒な話のあった頃で、世間も喧しくなりそうだったので、途中で一度帰したのです。二度目に古田が清水の宅で翻訳をしている時に、無電小僧――本人はこの名を大変嫌がっているのですが――という例の盗人が清水をねらって、例の銀行の通帳でおびき出して、留守宅へ入ると、思いがけなく古田が翻訳