Classici giapponesi con furigana
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ノンシャランどうちゅうき
ノンシャラン道中記
久生 十蘭
Leggi ノンシャラン道中記 (ノンシャランどうちゅうき) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.011 caratteri · 23 schermate
タヌは瞬きもせずにこの意外な光景を眺めていたが、やがてコン吉を部屋の中へ引きいれ急いで扉を閉ざし、息も詰まるような切迫した声で、
「コン吉、しっかりしてちょうだいね。ああ、大変なことになってしまった。怪我くらいならいいけど、もし殺してしまったんだったら、ただでは済まないわね。あんな真似をしてふざけた方も悪いんだけど、今さらそんなことをいったって仕様がないよ。コン吉、どうする?」と、これはどうやら涙ぐんでいる様子。
日ごろ気丈なタヌの取り乱したようすを見るよりコン吉は、その場の椅子にへたへたと腰をおろしながら、
「ああ、とんだことになった。どうするもこうするも、こういってるうちにも部落の連中がやってくるかも知れないね、逃げるなら今のうちだと思うけど、果してうまく逃げ終わせるかしら」
「さあ、難しいわね」
「僕も難しいと思う。……仮りにだね、あのコルシカ人が死んだとすると、本当にタラノの連中は僕たちをやっつけるだろうか」
「そう、やりかねないね」
「うわア、それじゃ困る。……憲兵なり看守なりに、われわれを引き渡してくれるのなら、必ずこっちに理があるんだけど」
「ああ、もうしょうがないわね。