Classici giapponesi con furigana
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ノンシャランどうちゅうき
ノンシャラン道中記
久生 十蘭
Leggi ノンシャラン道中記 (ノンシャランどうちゅうき) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.682 caratteri · 27 schermate
アルプスに日本のご婦人が登ったって記録はまだないんだから、アナタが口開けになるわけですヨ。……こりゃもう大評判になりますネ。シャモニイ中の雄という雄はみな眺望鏡でのぞいちゃのぼせあがって鼻血を出しますヨ。破れ返るような騒ぎになりますネ。……それにさ、アナタが口開けだってことになればアルプス倶楽部だって黙っていませんヨ。花火をあげるやら、送別会をするやら、テンヤワンヤするにきまってます。ね、お嬢さん、おやんなさいヨ、おやんなさいよウ。せつにアタシおすすめしますヨ。山の方は万事アタシが。
四、午年生れは山にて跳るべからず、厄災あり。扉開けてつかつかと次の間から出てくると、タヌは、
「コン吉君、すまないけど、あたし、明日モン・ブランに登ることにしたからそう思ってちょうだい。あんたもまごまごしないで、早く仕度をしたらどう」といいすてたまま、今度は次の間から登山綱を持ち出してせっせと輪を作り、水筒、靴下、油紙といったようなものを、やたらにリュック・サックに詰め出した。コン吉は仰天して、
「うわア、こりゃ情けないことになった。どうしてまたそんな気になったのかね。