Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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バルザックのねまきすがた

バルザックの寝巻姿

吉行 エイスケ

Leggi バルザックの寝巻姿 (バルザックのねまきすがた) di 吉行 エイスケ (よしゆきえいすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.606 caratteri · 27 schermate

Aozora Bunko

ロダンさんはロオズ夫人と妾を連れてカレー港から、ドーバーの港に着のみ着のままで避難しました。英仏海峡の難避者を満載した船の上で、過去の傷ましい事件が私の記億を新たにするのでした。モナコの賽の目に現れた不吉が、佐野を行方不明にしてしまい、妾は傷の癒えるまでニースの赤十字病院にロダンさんの手厚い看護を受けました。傷が癒えると再びオテル・ド・※(濁点付き片仮名ヰ、1-7-83)ロンのバルザックの寝巻姿のあるアトリエに妾は姿を現したのです。併し、当時妾の心の悩みは屡屡佐野の幻影に攪乱され、ひどく妾の心身の疲れてるのを心配して、ロダンさんは妾にモスコー行きをお薦めになりました。そこで妾はモスコーの後援者の或公爵夫人のところに当分身を落着けたのです。妾は公爵夫人の御親切で、ツアールの巨鐘の殷々たる響きをききながら、クレムリン宮殿附近の邸宅で数ヶ月を過した或日、ロダンさんからのお手紙で、あなたの健康のよくなり次第巴里に帰って貰いたい。花子の首は自分の最後の作として一日も早く製作にとりかかりたい、というお言葉だったのです。妾はロダンさんのお手紙を見ると巴里に魅いられたもののように、直ちにモスコーを出発して、バルザックの寝巻姿のあるオテル・ド・※(濁点付き片仮名ヰ、1-7-83)ロンに帰って来ました。