Classici giapponesi con furigana
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フレップ・トリップ
フレップ・トリップ
北原 白秋
Leggi フレップ・トリップ di 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.698 caratteri · 293 schermate
ハロウとでも呼びかけたい八月の朝凪である。爽快な南の風、空、雲、光。
なんとまた巨大な通風筒の耳孔だろう。新鮮な藍と白茶との群立だ。すばらしい空気の林。
なんとまた高いマストだろう。その豪壮な、天に沖した金剛不壊力の表現を見るがいい。その四方に斉整した帆綱の斜線、さながらの海上の宝塔。
ゆさりともせぬ左舷右舷の吊り短艇の白い竜骨。
黄色い二つの大煙突。
あ、渡り鳥が来た。耿として羽裏を光らせて行くその無数の点々。
煙だ。白い湯気だ。その無尽蔵に涌出するむくりむくりの塊り。
しかも、見るものは空と海との大円盤である。近くは深沈としたブリュウブラックの潮の面に擾乱する水あさぎと白の泡沫。その上を巨きな煙突の影のみが駛ってゆく。
北へ北へと進みつつある。
ハロウ、ハロウだ。
心は安く、気はかろし、
揺れ揺れ、帆綱よ、空高く……
そこで、私は支那服をつけているのだ。初めてつけたこの麻の支那服の著心地のいいことは、実に寛々としてさばさばしている。その薄藍いろの上衣には唐草模様の釦どめが鮮かな黄の渦巻をなしている。五つも六つものポケットだ。それから雪白のだぶだぶとしたズボン、利休鼠のお椀帽。