Classici giapponesi con furigana
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ボニンとうものがたり
ボニン島物語
久生 十蘭
Leggi ボニン島物語 (ボニンとうものがたり) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.772 caratteri · 41 schermate
むずかしい掟に縛られて、つまらぬ生涯を送ることになりますが、押送り途中で斬るなどというのは、この齢になるまで、まだ聞いたことがなかった」
駒三郎は、笑いながらたずねた。
「清兵衛さん、それを誰に聞いた」
「田中さまが揚屋に見えて、藤代船の話をなさり、このうえ業を重ねたくないから、おれは断るが、どのみち介添はつくのだから、いずれ、どこかで斬られるものと思えといわれました。松太郎は、がっかりして、それで首を縊って死んでしまった」
清兵衛は煙管を叩いて、ふところにおさめると、隙のない眼つきで深志と駒三郎の顔を見くらべながら、
「田中さまは、手が立つうえに容赦のないお人だから、仕掛けどころは、大概、きまっているが、失礼ながら、あなたさま方は、たいして腕が立つようでもないし、それに、どちらも飄軽なご人体だから、眠っているところをやるかも知れず、いきなりの出あいがしらに頂戴するかもしれず、頃合いがわからないので、寝た間も気が休まらない。庄吉などは、すっかり焦れてしまって、どうせ斬られるものなら、早く斬られてしまえというわけで、お声がかかると、いそいそとお傍へ飛んで行く」