Classici giapponesi con furigana
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate
あいつ変なことを言っておったが、何かやったんじゃないか。そこで僕はそっと野呂の部屋に忍び入り、机上を見ると小さく平たい紙の外被が乗っている。その表の『虫下しチョコレート』という印刷文字を見た時、とたんに僕はむらむらと逆上しましたよ。その箱を裏返して見ますと、『このチョコレートは日本薬局方サントニン〇・〇五瓦海人草及び石榴皮を主剤とし外に各種の栄養剤を配合しその相乗作用により』云々と効能書が印刷してある。僕は怒髪天をつき、その空箱をはっしと壁に投げつけました。学校出入りの薬屋か何かが売込みに来たのを、効くか効かないか、僕を実験台にして使ってみたのでしょう。立腹の余り、僕はもう画業に手がつかず、庭に出てエイエイと少林拳法の真似ごとなどしている中に夕方になりました。戻って来た野呂に、僕はいきなり怒声をあびせかけました。
「一昨日僕に食わしたのは、虫下しチョコレートだったんだな!」
はげしい僕の剣幕に、野呂はびっくりして気を呑まれたようでした。
「そ、その通りだよ」
「一体君はそんなことをしてもいいと思ってるのか。あんまり人をなめるなよ」
「だって――」野呂も懸命に弁解しました。