Classici giapponesi con furigana
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ボールのゆくえ
ボールの行方
小川 未明
Leggi ボールの行方 (ボールのゆくえ) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 3665 caratteri · 8 schermate
」と、いいました。
「笑うから、やだあい。」
「笑わないから、ようおしえてよ。」と、お姉さんはいいました。
お母さんも笑いだしそうな顔つきをむりにこらえて見ていらっしゃいますと、正ちゃんはボールを持った右手をぐるぐるっと頭の上でまわして、片手をあげて投げるまねをしました。
「まあ、すてきね。」
「僕の球は、それはカーブがあるんだから。」
「あまりありすぎて、球をなくすんでしょ。」と、お母さんがおっしゃったので、お姉さんは、声をたてて笑いました。
原っぱへいってすればいいのに、正ちゃんはせまい往来で、小さい花子さんを相手にキャッチボールをやっていると、正ちゃんの投げたボールが、からたちの垣根をこして、向こうの庭にはいってしまいました。
「困ったわね、正ちゃん。」と、花子さんがいいました。
「どこへはいったんだろうな。」と、正ちゃんは、からたちの垣根のあいだから、庭の中を見ていました。
すると、ちょうど日のよくあたるあちらのえんがわで、おばさんが赤ちゃんのおしめをかえてやっているところでした。
お庭の木には、かきが赤くうれておりました。赤ちゃんは、なにがおかしいのか、けたけた声を出して笑っていました。