Classici giapponesi con furigana
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マダムさだやっこ
マダム貞奴
長谷川 時雨
Leggi マダム貞奴 (マダムさだやっこ) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.999 caratteri · 53 schermate
そうした敬虔な心持ちは、彼女の胸にいつまでも摺りへらされずに保たれていたゆえ、彼女がつくらずして可憐であり初々しいのだ。彼女の胸には恒に、少女心を失わずにいたに違いない。
わたしはいつであったか歌舞伎座の廊下で、ふと耳にした囁きをわすれない。それは粋な身なりをしている新橋と築地辺の女人らしかったが、話はその頃噂立った、貞奴対福沢さんの問題らしかった。その一人の年増が答えるところが耳にはいった。
「それは違うわ、先の妾はああした女でしょう。貞奴さんはそうじゃない、あの人のことだから、お宝のことだって、忍耐が出来るまでは口にする人じゃなし、それに、ああすればこうと、ポンといえば灰吹きどころじゃなく心持ちを読んで、痒ゆいところへ手の届くように、相手に口をきらせやしないから、そりゃまるで段違いだわ、人間がさ」
それだけの言葉のうちに以前の寵妓であって、かえり見られなくなった女と、貞奴との優劣がはっきりと分るような気がした。ほんの通り過ぎたにすぎないので、そのあとでも聴きたい話題があったかも知れない。
順序として貞奴の早いころの生活についてすこし書かなければならない。