Classici giapponesi con furigana
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リラのてがみ
リラの手紙
豊田 三郎
Leggi リラの手紙 (リラのてがみ) di 豊田 三郎 (とよださぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.702 caratteri · 30 schermate
併し向い合って箸を取り出すと決心も、疑も弛み、青江の楽しげな笑いにまき込まれそうになった。こうしていると本当の夫婦の様ね、いいや本当の夫婦なんだわ、と青江が擽るような眼差をすると、久能は他人がみたらそう思うだろうさ、併し本人達のみじめさはどうだ、敵と一緒にいるというのは此の事だ、と苦笑したが、でもうれしいわ、と青江は食器を片づけ出すのだった。その時、青江の艶やかさが痛む程久能の眼にしみて、ああ俺は完全に青江の奴隷になりかけているな、あの時分は追いかけられていたのだが、今は一心に追っているなと感じ、殊更に冷淡に構え、虚勢を張っていると、着換えに押入を開いた青江は皮肉るように久能を見くだして、あなた、何かさがしたんじゃない? というので、久能はむっとして、捜されること知ってるあなたが、見付けられて悪いもの、何残して置くものかと怒ると、青江は殺倒する様に久能にしがみついて来、未だうたぐってるの? あたしがそんなに信じられない? ね、あたし信じられるためだったらどんなことでもするわ、そんな事より早く丈夫になって明るい顔してくださらない? と真剣に頼むので、久能は、何でもするね、するね、それじゃ本当のこといってくれ! 僕はどんな事いわれたって本当のことなら我慢するから、というと、青江はないことだけはいえないわ、そり