Classici giapponesi con furigana
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リラのてがみ
リラの手紙
豊田 三郎
Leggi リラの手紙 (リラのてがみ) di 豊田 三郎 (とよださぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.702 caratteri · 30 schermate
‥‥やはりそうだったのか‥‥久能は重たい石をおろした、或は身体を叩きつけられたような衝動に全身を委していた。
あたし自分でもすっかり忘れて了いたいと思っていたの、と青江は平静になっているように見える顔をあげていい出した。あの××ホテルの便箋憶えていらっしゃる? あんなものどうして持ちかえったのか知らなかったけど、あなたに見られてぞっとしたわ、あたし千駄木の家を出て、もとの会社にいると、さがし出されるでしょ、だからそこを止めたのよ。そして勤先捜してると、あたしを子供の時知ってた弁護士に会ったの、みちで、青江さんじゃないときかれて、あたし判らないでいると、色々話しかけて来て、あたしの家のことや何かきくの、それであたし答えてる中に、あたしが仕事をみつけてるの知ると、その人事務所を開きたいと思ってるところだといって、××ホテルへ‥‥‥‥
これが真実をきいているというのか? 久能はめまいを感じ、青江が遠くに、そして恐ろしく魅力なく、知らない女に見え出し、花束の酔わせる匂に夢心地になっていき、これから一体何が始まって来るのだろうかと、おぼろげに心愉しくなっていくようでもあった。