Classici giapponesi con furigana
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おもいで
ロッパの悲食記
古川 緑波
Leggi ロッパの悲食記 (おもいで) di 古川 緑波 (ふるかわろっぱ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.651 caratteri · 114 schermate
そして、わが国の食糧事情という奴が、もうセッパ詰って来て、洋食の如きも、殆んど姿を消すに至ったのだもの。
うまい御馳走を、ちょいと味わわせて貰った、その後が、めちゃくちゃな食いものの時代になったのだから、たまらない。
何を食ったって、船の食堂を思い出す。たまに、洋食のようなものが出たって、ああ、船では――と思っちまう。
いっそ、罪な目に遭った。そんな気がした。なまじ、あんな美味いものを知らなきゃあ、こんな苦労はあるまいものをと、戦時中、幾たび嘆いたか分らない。
又、戦後の今日、もはや何でも出揃い申し候の今日に至っても、M・Mの船で食ったフランス料理の味は、時々思い出す。
今でも、ラングース・テルミドオー(とでも発音するのか)という、伊勢海老のチーズ焼。それが出て来ると、ハッと思い出すのだ、船の食堂を。
船の食堂では、昼食には、スープは出なかった。いきなりが、オードヴルとしてのフォアグラ(ああその味!)(氷でこしらえた白鳥の背中などに盛られてありし――)が出て、その次が、伊勢海老のチーズ焼。
ホカホカ熱いのを、フーフー言いながら食べる。甘いシャムパンのような酒が出る。