Classici giapponesi con furigana
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ワルシャワのメーデー
ワルシャワのメーデー
宮本 百合子
Leggi ワルシャワのメーデー di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4621 caratteri · 10 schermate
広場のはずれにこれもまた、光り輝く服装をした巡査が立っている。それに教わって、ちょっと横丁へそれたところにある喫茶店へ行った。ガラス越しに中で茶を飲んでいる人の姿はまるみえだ。それだのに、戸のとってを持って開けようとしても戸はあかない。その様子を中から給仕がみつけた。そばへ寄って来て、我々の風体をよくよくみきわめてから、やっと体が入るだけ戸をあけ、内へ入れるとまた戸へ鍵をかけた。給仕は弁解した。
「なにしろ御承知のとおり今日はメーデーだもんですから……」
喫茶店で十分とは費さなかった。往来を三四人の人間が駆て行くのが見えた。
――オヤ、どうかしたかな――と思って、急いで外へ出て劇場広場まで戻ると、
――これはどうしたことだ!――
――赤旗も、労働者も、反動青年団の密集した列も、どこへ行ったか、跡かたもない。チリヂリに群集が、踏みしだかれた広場の土の上を歩いているだけだ。
デモはそんなに急に、巧妙に解散させられてしまったのだ。
昨夜の雨はやんで、晴渡ったメーデーだ。
だが、わたしたちの見たのは何であったか?
わたしはおそらく、一生ポーランドの一九二九年のメーデーを忘れないだろう。