Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ヴァリエテ

ヴァリエテ

宮本 百合子

Leggi ヴァリエテ di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5156 caratteri · 11 schermate

Aozora Bunko

「さ、どうお一つ、これは本ものらしいから上って頂戴な」

サンキストと皮に文字を打ってあるオレンジをとり分けながら、絹子は、

「じゃ、お友達でも誘ってぜひ見ましょう」

弾んだ調子でいったが、

「でも、私共みたいな境遇詰らないわねえ。ちょっとそんなものでも見ましょうってお誘いしたって、直出かけられるような方一人もいらっしゃらないんですもの」

榎は、ダンスをやめたと同時に、二十七歳の絹子が、稀には良人と活動でも見たい心持を持つことさえ、理解するのを中止してしまったようであった。

絹子は、剥きかけたオレンジをそのままたべもせず皿に置き、うつむいてフィンガー・ボウルに指先を濡し、いった。

「もう二年ぐらいになるわ、そんなところへ行かなくなってから……いよいよお婆さんになるばかりね、ですもの」

佳一は、楓の大きい姉ぐらいにしか見えぬ絹子が、自分からよくお婆さんという、いわれる度に、妙な居心地わるい気持になった。彼は、自然に話の調子で、

「お連が面倒なら、僕お伴してもいいですよ」

といった。

「そう? でもお気の毒ですわ、もう御覧なったんですもの」

「平気! それは。ウィンダアミア夫人の扇だって二度見たんですもの」