Classici giapponesi con furigana
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ひとつみのきもの
一つ身の着物
壺井 栄
Leggi 一つ身の着物 (ひとつみのきもの) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5453 caratteri · 11 schermate
不思議は私だけでなく、夫までが神妙に、父親らしくわきにつれ添っているのだ。しかもおしめの包みを片手に下げている。
「私たちは、ほんとに姪や甥の育てぶにがあるのね。」
「生めないんだから、それぐらいのことあってもいいのかもしれんな。」
「そうかもしれない。だけどこうして無理矢理――でもないけれどとにかく強引に背負わされてさ、さあ今日からお母さんだよと宣告されても、正直なところまだ愛情よりも不憫さの方が強い感じね。それが可哀そうだと思わない?」
「ふーん。」
「これがお母さんだよなんて、ずい分越権ですよ。」
錆トタンの掘立小屋が点々と散らばっているその間を縫って、焼跡の通路はでこぼこしながら往来へのびている。焼トタンに囲まれた小さな小屋の人たちが、思い思いの足跡でふみ固め、つないで行く太々しい記録なのだ。五つと七つ位の男の子が地べたに足を投げ出してぼんやりとこちらをみている。光りのない目の色、変った人種かと思うほど赤黒い皮膚の色。そのそばに母親らしいやはり色の黒い女が、野天でさつま芋を切っている。俎板は柱のような四角な木切れだった。人も家も、大人も子供も、俎板もさつま芋も、どす黒い煙にいぶされたような色だった。