Classici giapponesi con furigana
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いちしょうにんとして
一商人として
相馬 愛蔵
Leggi 一商人として (いちしょうにんとして) di 相馬 愛蔵 (そうまあいぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 114.895 caratteri · 222 schermate
なおこのついでに葉桜餅のことを言っておくのも無駄ではあるまい。これはだいぶ後で、大正も終りの方のことであった。五月も十日頃、我が淀橋町の役場から電話で、小学校生徒のために赤飯一石五斗の註文があった。ちょうど私が店にいたので電話で註文をきき、早速糯米を水に浸けるように命じて帰宅したのであったが、翌朝行って見ると番頭から意外な報告である。それは役場からまた電話があって註文の取消しがあり、やむなく承知いたしましたが、その糯米の始末に困っておりますというのであった。
私も驚いて、註文の間違いは役場にあって、この方には少しの手落もないものを、電話一つで損害の全部を引き受ける馬鹿があるかと叱っては見たものの、何としてもこの一石五斗の水に浸した糯米の始末には閉口した。
そこで取りあえず、店で朝生と称している田舎、ドラ焼、そば饅頭などの製造をいっさい中止させ、その赤飯用の糯米を少しつぶして桜色をつけ、餡を入れて桜の葉に包み「新菓葉桜餅」として売り出して見た。するとこれが葉桜、季節に適うてまず新鮮な感じを呼んだことであろう、たいへんに受けて、拵えても拵えてもみな売り切れ、次の日と二日で一石五斗の糯米をきれいに用い尽してしまった。