Classici giapponesi con furigana
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かじとポチ
一房の葡萄
有島 武郎
Leggi 一房の葡萄 (かじとポチ) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 23.753 caratteri · 48 schermate
おばあさまは、自分の部屋から火事が出たのを見つけだした時は、あんまり仰天して口がきけなくなったのだそうだけれども、火事がすむとやっと物がいえるようになった。そのかわり、すこし病気になって、せまい部屋のかたすみに床を取ってねたきりになっていた。
ぼくたちは、火事のあった次の日からは、いつものとおりの気持になった。そればかりではない、かえってふだんよりおもしろいくらいだった。毎日三人で焼けあとに出かけていって、人足の人なんかに、じゃまだ、あぶないといわれながら、いろいろのものを拾い出して、めいめいで見せあったり、取りかえっこしたりした。
火事がすんでから三日めに、朝目をさますとおばあさまがあわてるようにポチはどうしたろうとおかあさんにたずねた。おばあさまはポチがひどい目にあった夢を見たのだそうだ。あの犬がほえてくれたばかりで、火事が起こったのを知ったので、もしポチが知らしてくれなければ焼け死んでいたかもしれないとおばあさまはいった。
そういえばほんとうにポチはいなくなってしまった。朝起きた時にも、焼けあとに遊びに行ってる時にも、なんだか一つ足らないものがあるようだったが、それはポチがいなかったんだ。