Classici giapponesi con furigana
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かじとポチ
一房の葡萄
有島 武郎
Leggi 一房の葡萄 (かじとポチ) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 23.753 caratteri · 48 schermate
そうしたら弟まで泣きだした。ぼくもいっしょに泣きたくなったけれども、くやしいからがまんしていた。
なんだか山の中に三人きりでいるのが急にこわいように思えてきた。
そこへ女中がぼくたちをさがしに来て、家ではぼくたちが見えなくなったので心配しているから早く帰れといった。女中を見たら妹も弟も急に声をはりあげて泣きだした。ぼくもとうとうむやみに悲しくなって泣きだした。女中に連れられて家に帰って来た。
「まああなたがたはどこをうろついていたんです、御飯も食べないで……そして三人ともそんなに泣いて……」
とおかあさんはほんとうにおこったような声でいった。そしてにぎり飯を出してくれた。それを見たら急に腹がすいてきた。今まで泣いていて、すぐそれを食べるのはすこしはずかしかったけれども、すぐ食べはじめた。
そこに、焼けあとで働いている人足が来て、ポチが見つかったと知らせてくれた。ぼくたちもだったけれども、おばあさまやおかあさんまで、大さわぎをして「どこにいました」とたずねた。
「ひどいけがをして物置きのかげにいました」
と人足の人はいって、すぐぼくたちを連れていってくれた。