Classici giapponesi con furigana
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かじとポチ
一房の葡萄
有島 武郎
Leggi 一房の葡萄 (かじとポチ) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 23.753 caratteri · 48 schermate
そうなるとお金はひとりでのようにジャンのふところを目がけて集まって来ました。
ピエールはピエールで、ちがったしかたで金をためにかかりました。ピエールはジャンのようにえらいものらしくいばることをしないで、どこまでも正直でかわいそうなかたわ者らしく見せかけました。「私にはジャンのような神様から授かった不思議な力などはありません。あたりまえなけちな人間で、しかもいろいろな罪を犯しているのだから、神様がかたわになさったのも無理はありません。だから私は自分の罪ほろぼしに、何か自分を苦しめるようなことをして神様のおいかりをなだめなければなりません。この心持ちをあわれと思ってください」などと口ぐせのようにいいました。そこでピエールの仕事というのは大きなふくろを作って、それに町の人々が奉納するお金や品物を入れて、ちんばを引き引き聖マルティンの尊像の安置してある険しい山に登ることでした。足の達者な人でも登れないような所に、このかたわ者が命がけで登るというのですから、中には変だと思う人もありましたが、そういう人にはピエールはいつでも悲しげな顔をしてこう答えました。
「お疑いはごもっともです。