Classici giapponesi con furigana
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ひとあしおさきに
一足お先に
夢野 久作
Leggi 一足お先に (ひとあしおさきに) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 40.200 caratteri · 79 schermate
そうして全身麻酔にかかると間もなく、そのサックの中の宝石の事を、幾度も幾度も副院長に念を押して聞いたのでスッカリ解っちゃったのよ」
「フ――ン。じゃ副院長だけ信用されているんだナ」
「ええ。あんな男前の人だから、未亡人の気に入るくらい何でもないでしょうよ」
「ハハハハハ嫉いてやがら……」
「嫉けやしないけど危いもんだわ」
「何とかいったっけな。エート。胴忘れしちゃった。副院長の名前は……」
「柳井さんよ」
「そうそう。柳井博士、柳井博士。色男らしい名前だと思った。……畜生。うめえ事をしやがったな」
「オホホホ。あんたこそ嫉いてるじゃないの」
「ウ――ン。羨しいね。涎が垂れそうだ。一目でもいいからその奥さんを……」
「駄目よ。あんたはもう二三日うちに退院なさるんだから……」
「エッ。本当かい」
「本当ですとも。副院長さんがそう云っていたんだから大丈夫よ」
「フ――ン。俺が色男だもんだから、邪魔っけにして追払いやがるんだな」
「プーッ。まさか。新東さんじゃあるまいし……アラ御免なさいね。ホホホホ……」
「畜生ッ。お安くねえぞッ」
「バカねえ。外に聞こえるじゃないの。それよりも早く大連の奥さんの処へ行っていらっしゃい。