Classici giapponesi con furigana
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ひとあしおさきに
一足お先に
夢野 久作
Leggi 一足お先に (ひとあしおさきに) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 40.200 caratteri · 79 schermate
すると又そのうちに、大勢の女を欺した天罰かして、今度は右の足首に関節炎が来はじめたのであったが、青木はそれを大連に沢山ある病院のどこにも見せずに、わざわざお金を算段して、昔なじみのこの病院に入院しに来た。……だから今度右の足を切られたら又、今の女房が逃げ出して、新しい女が入れ代りに来るに違いない。それが楽しみで楽しみで……と誰にも彼にも自慢そうにボカボカ話している。それくらい単純なアケスケな頭の持ち主である。だからタッタ今見たばかりの私の夢を云い当てるような、深刻な芸当が出来よう筈が無い。それとも、もしかしたら今、私が夢を見ているうちに、囈言か何か云ったのじゃないかしらん……なぞと一瞬間に考えまわしながら、独りで赤面していると、その眼の前で、青木はツルリと顔を撫でまわして、黄色い歯を一パイに剥き出して見せた。
「ハッハッハッ。驚いたもんでしょう。千里眼でしょう。多分そんな事だろうと思いましたよ。さっきから左足を伸ばしたり縮めたりして歩く真似をしていなすったんですからね。ハッハッハッ。おまけにアブナイなんて大きな声を出して……」
「……………」
私は無言のまま、首の処まで赤くなったのを感じた。