Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みっつのたから

三つの宝

芥川 竜之介

Leggi 三つの宝 (みっつのたから) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7156 caratteri · 15 schermate

Aozora Bunko

一

一

森の中。三人の盗人が宝を争っている。宝とは一飛びに千里飛ぶ長靴、着れば姿の隠れるマントル、鉄でもまっ二つに切れる剣――ただしいずれも見たところは、古道具らしい物ばかりである。

第一の盗人 そのマントルをこっちへよこせ。

第二の盗人 余計な事を云うな。その剣こそこっちへよこせ。――おや、おれの長靴を盗んだな。

第三の盗人 この長靴はおれの物じゃないか? 貴様こそおれの物を盗んだのだ。

第一の盗人 よしよし、ではこのマントルはおれが貰って置こう。

第二の盗人 こん畜生! 貴様なぞに渡してたまるものか。

第一の盗人 よくもおれを撲ったな。――おや、またおれの剣も盗んだな?

第三の盗人 何だ、このマントル泥坊め!

三人の者が大喧嘩になる。そこへ馬に跨った王子が一人、森の中の路を通りかかる。

王子 おいおい、お前たちは何をしているのだ? (馬から下りる)

第一の盗人 何、こいつが悪いのです。わたしの剣を盗んだ上、マントルさえよこせと云うものですから、――

第三の盗人 いえ、そいつが悪いのです。マントルはわたしのを盗んだのです。

第二の盗人 いえ、こいつ等は二人とも大泥坊です。これは皆わたしのものなのですから、――