Classici giapponesi con furigana
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さんがつのだいよんにちよう
三月の第四日曜
宮本 百合子
Leggi 三月の第四日曜 (さんがつのだいよんにちよう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.826 caratteri · 42 schermate
サイを今の勤めにふりむけて、女中に行っている先から暇をとらしたのは、周旋屋のようなことを商売しているトミヨの連れ合いの寸法であった。
「そりゃお目出たい。全く今どき、いいねえちゃんが、よその台所を這いずっているなんて気が利かないよ」
婆さんは、一応戻って来ながらも不安そうにしているサイにそう云った。
「そうときまれば、サイちゃんも立派なおつとめ人だもの、あんきに手足を伸すところもいるわけだね」
耳のうしろから半分吸った煙草を出して、何か思案しながら豆タンの火をつけている秀太郎に、
「あの二畳あけたらいいだろう」
と云った。
「あすこなら、家のものの目も届いてサイちゃんも安心だし、十五円で三度たべて一部屋ついて、大勉強だよ、ねえ」
「うむ。――それにしても、何とかしてもう三四人、東京で働きたいって娘はないもんかね。どうだ、サイちゃん、田舎の友達でそんなのないか」
そんなことで月十五円払う話もついたことになってしまった。
サイは、婆さんに押しつけられた洗いものまで竿にとおしてしまうと、徹夜して来た眼玉の芯がズキズキ疼くような疲労を覚えた。
茶の間から掃き出したごみが葉蘭にくっついている手洗鉢の横からあがって、サイは自分の部屋の戸をあけた。