Classici giapponesi con furigana
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みうらろうじんむかしばなし
三浦老人昔話
岡本 綺堂
Leggi 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 113.637 caratteri · 224 schermate
かれは彼の老女をのせて来た者に相違なかった。
あの女も三浦老人の家へ来たのか。
わたしは鳥渡不思議なようにも感じた。停車場で一緒に雨やどりをして、たとい一言でも挨拶した女が、やはり同じ家をたずねてゆく人であろうとは思わなかった。勿論そんな偶然はあり勝のことではあろうが、この場合、かれと我とのあいだに何か一種の糸が繋がってゞもいるように思われないこともなかった。かれはどういう人であろうかと、私はあるきながら想像した。かれは老人の親戚であろうか、知人の細君か未亡人であろうか。それとも――老人がむかしの恋人ではあるまいか――斯うかんがえて来たときに、わたしは思わず微笑して自分の空想を嘲った。
いずれにしても、来客のあるところへ押掛けてゆくのは良くない。いっそ引返そうかとも思ったが、雨にふり籠められ、雷におびやかされ、ぬかるみを辿ってこゝまで来たことを考えると、このまゝ空しく帰る気にもなれなかったので、わたしは邪魔をするのを承知の上で、思い切ってそのあとから門をくゞることにした。雨もやみ、傘を持っているにも拘らず、停車場から僅かの路を人車に乗ってくるようでは、かの老女もあまり生活に困らない人であろうなどと、わたしは又想像した。