Classici giapponesi con furigana
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みうらろうじんむかしばなし
三浦老人昔話
岡本 綺堂
Leggi 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 113.637 caratteri · 224 schermate
照之助はおまえさんの御贔屓役者じゃありませんか。」
お朝は黙っていました。お朝も盆芝居から照之助を大変に褒めていることを知っていますから、わたくしも笑いながら斯う云ったのですが、お朝は莞爾ともしませんでした。お朝はどちらかと云えば大柄の、小ぶとりに肥った女で、色も白し、眼鼻立もまんざら悪くないのですが、疱瘡のあとが顔中に薄く残って、俗に薄いもという顔でした。とりわけて眉のあたりにその痕が多く残っているので、眉毛は薄い方でした。ほんとうのあばた面さえ沢山にある時代ですから、薄いもぐらいはなんでもありません。誰も別に不思議には思っていませんでしたが、当人はひどくそれを気にしているらしく、時々に鏡を見つめて悲しそうに嘆息をついていることがあるので、わたくしもなんだか可哀そうに思ったことも度々ありました。お朝は今日も、その鏡を見つめたときと同じような悲しい顔をして、いつまでも黙っていました。
「おまえさん。今夜は照之助が来るんですよ。」と、わたくしは少しはしゃいだ調子で、お朝の肩を一つ叩きました。なんという蓮葉なことでございましょう。今考えると冷汗が出ます。