Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みうらろうじんむかしばなし

三浦老人昔話

岡本 綺堂

Leggi 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 113.637 caratteri · 224 schermate

Aozora Bunko

見かけによらねえ侍じゃあねえか。」

「おとなしそうな面をしていて、呆れたものだ。」

色々の噂が耳に這入るから、侍ももう堪らなくなりました。身分が身分、場所が場所ですから、初めはじっと我慢していたのですが、なにを云うにも年が若いから、斯うなると幾らか逆上ても来ます。侍は眼を据えて、自分のまわりを取りまいている奴等を睨みつけました。

「場所柄と存じて堪忍していれば、重々無礼な奴。もう貴様たちと論は無益だ。道をひらいて通せ、通せ。」

持っている扇で眼さきの二三人を押退けて、そのまゝ店口から出て行こうとすると、押退けられた一人がその扇をつかみました。侍はふり払おうとする。そのうちに誰かうしろから侍の袖をつかむ奴があるから、侍は又それを振払おうとする。そのなかに悪い奴があって、侍の刀を鞘ぐるみに抜き取ろうとする。侍もいよ/\堪忍の緒を切って、持っている扇をその一人にたゝき付けたかと思うと、いきなりに刀をひきぬいて振りまわした。

「それ抜いたぞ。」

抜いたらば早く逃げればいゝのですが、大勢の中にはごろつきもいる。喧嘩好きの奴もいるので、相手が刀をぬいたと見てその腕をおさえ付けようとする者がある。