Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みうらろうじんむかしばなし

三浦老人昔話

岡本 綺堂

Leggi 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 113.637 caratteri · 224 schermate

Aozora Bunko

人の跫音もきこえました。

脛に疵持つふたりは若や追手かと胸を冷したが、なにぶんにも月が明るいので何うすることも出来ない。むやみに急いで多田の薬師の前まで来ると、うしろから弦の音が高くきこえて、伝蔵は背中から胸へ射徹されたから堪りません。そのまゝばったり倒れました。お睦はおどろいて介抱しようとするところへ、二の矢が飛んで来てその襟首から喉を射ぬいたので、これも二言と云わずに倒れてしまいました。

不義者ふたりを射留めたのは、主人の桜井衛守です。かねて二人の様子がおかしいと眼をつけていたので、弓矢を持ってすぐに追いかけて来て、手練の矢先で難なく二人を成敗してしまったのです。伝蔵もお睦も急所を射られて、ひと矢で往生したのですが、おふくろに負われていたお金だけは助かりました。しかしお睦の襟首に射込んだ矢がお金の右の頬をかすったので、矢疵のあとが残りました。お金が真直に負われていたら、おふくろと一緒に射徹されてしまったかも知れなかったのですが、子供のことですから半分眠っていて、首を少しく一方へかしげていた為に、かすり疵だけで済んだのでした。

不義者を成敗したのですから、桜井さんには勿論なんの咎めもありません。