Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんりょうきょう

三稜鏡

佐左木 俊郎

Leggi 三稜鏡 (さんりょうきょう) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.347 caratteri · 42 schermate

Aozora Bunko

「それは又……」

「岡埜先生! 御迷惑でも、署までおいで下さいませんか? 私達の前で、この青年の、心理試験をやって頂き度いのですよ。首無し死体事件の端緒が掴めそうですから」

「それは参りましょうが……」

「では、自動車の中で、寛り話します。それはそうと、岡埜先生は、眼鏡が無いと、御不自由なのじゃありませんか?」

「いや! それほどじゃないです」

岡埜精神病院長は鼻梁を押えながら云った。

「それじゃ参りましょうか? それで君達は、その青年を伴れて、別の自動車で来給え、儂は岡埜先生と御一緒に先きに行くから」

署長はそう云って、岡埜博士と一緒に、喚き立てる気狂いをそこに残して門の方へ歩いて行った。自動車は二人を乗せると市立精神病院を出て、直ぐ繁華な街へ出て行った。署長はその軽い動揺に身体を任しながら語りかけた。

「岡埜先生! あの青年は、首無し死体事件の犯人は先生で、被害者は先生のお嬢さんだと、熱心にそう云っているのですよ」

「ほう! それは面白い。私に娘があるものと思っているのですな?」

「――そうなんです。尤も、先生を、岡埜精神病院長と思っているわけではなく、笠松と云う外科の博士と信じていて、その笠松博士の令嬢に恋情を寄せていたらしいのですが、笠松博士と錯覚しての先生を酷く怖れていながら、矢張、令嬢への恋情に繋がれていた