Classici giapponesi con furigana
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ふざいじぬし
不在地主
小林 多喜二
Leggi 不在地主 (ふざいじぬし) di 小林 多喜二 (こばやしたきじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 69.990 caratteri · 141 schermate
」
大きな声で前のに云うと、又ウハハハハハと笑った。
「ハハハハハハハハ。」――向うでも笑っている。
黙っていた阿部が、「伴さん、晩に管理さんのとこさ行ぐ時、一寸寄ってけねか?」と云った。
「ん、ん。」
伴は着物をまくって棒杭のような日焼けした、毛むじゃらの脛を出して、足をいたずらにブラブラさせたり、石を蹴ったりして歩いていた。
「のべ源」
「どうだ、健ちゃ。」後からのッぽの「のべ源」が声をかけた。
「あのどっちでもええ、一晩抱いて寝たらな。」
「何んだ、お前今迄かかって、そったら事考えていたのか。」
健は、初めて、ムカッムカッと云った。
「それんか他にあるか。」ニタニタ笑った。
のッぽの「のべ源」をS村の小作達は、時々山を下りて来る「熊」よりも恐ろしがっている。飲んだら「どんな事」でも平気でした。馬鹿力を出すので、どの小作だってかなわない。「のべ源」の乱暴をとめようとして、五、六人泥田に投げ込まれてしまった事がある。それに女に悪戯した。
酔いがさめると、手拭で頭をしばって、一日中寝た。
「俺ア何アんもしねえど。俺ア――俺だけア何んもしねえど!」
きまって、そう云いながら唸り続けた。