Classici giapponesi con furigana
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ふざいじぬし
不在地主
小林 多喜二
Leggi 不在地主 (ふざいじぬし) di 小林 多喜二 (こばやしたきじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 69.990 caratteri · 141 schermate
――武田だ! 偉いこと云って!――健は武田のそういう処を見たのが愉快でたまらなかった。
今に見ろ、畜生!
七
七之助の手紙
畑から帰ってくると、母親がプリプリ怒っている。
「見れでよ。切手不足だって、無え金ば六銭もふんだくられた。」
手紙は七之助から来ていた。――健は泥足も洗わずに、炉辺へずッて行って、横になりながら封を切った。
朝五時に起きて、六時には工場に行っている。油でヒンやりする、形の無くなった帽子をかぶり、背中を円るくし、弁当をブラ下げて出掛けて行く。俺の前や後にも、やっぱりそういう連中が元気のない恰好で急いで行く。――工場では、ボヤボヤしていられない。朝の六時から晩の五時迄、弓の弦のように心を張っていなければならない。
俺が来てから、仲間の若い男が二人機械の中にペロペロとのまれてしまった。ローラーからは、人間が大巾の雑巾のような挽き肉になって出てきた。一人の方の女房は、それから淫売をやって、子供を育てているという評判をきいた。もう一人は青森の小作の三男だそうだ。背がゾッとする。
工場は大きな機械の廻る音で、グヮングヮンしている。