Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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せかいかいきじつわ「じょぶん」

世界怪奇実話

牧 逸馬

Leggi 世界怪奇実話 (せかいかいきじつわ「じょぶん」) di 牧 逸馬 (まきいつま) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 251.305 caratteri · 498 schermate

Aozora Bunko

しかし、船長にそう言われても、ストウンはまだ少し気になるので、信号燈を持出してモールスの手燈信号をしてみた。が、それは光力が不充分で向うの船まで届かないのか、その不思議な停止船からは何らの応答もなかった。

「全く、何だか様子が変ですね」見習ギブスンは心配そうに、「無線のエヴァンスを起しましょうか」

エヴァンス技師さえ眼を覚ませば、即座にSOSを受信して、キャリフォルニアン号は全力を挙げてタイタニックに接近し、救助作業を開始して必ずや全人助かっていたことだろう。

まだ遅くはないのだ。

鳥渡考えていた二等運転士ストウンが、思い切ったように言った。

「そうだ。エヴァンス君を起こしてみ給え、何か無電が来ているだろうから――」

返辞の代りに頷首いて、ギブスンは、急ぎ足に無線室のほうへ歩き出そうとした。

と、ストウンが止めた。

「まあ、いいや、君、何うせ大したことではあるまいから、ぐっすり眠ってるやつを起すのも気の毒だ」

再び救助の手がタイタニックに下ろうとして、思い返したように遠く離れ去った。

矢庭にギブスンが大声を上げた。

「思い出しました。彼船はタイタニックです。