Classici giapponesi con furigana
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せひょう(いちまくにば)
世評(一幕二場)
菊池 寛
Leggi 世評(一幕二場) (せひょう(いちまくにば)) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4154 caratteri · 9 schermate
男三 それは、お前バグダッドでも、評判になった話だ。あの娘の兄が、あの娘を売ったのだ。
男一 なるほど可愛そうに。
男三 五つのダイヤモンドと六つの黒真珠とが、あの娘の価だと云っている。
女一 可愛そうに。貴族の娘に生れながら、売られるなんて、ほんとに不幸せな方ね。
女二 おや! 御覧。あの女が足を動かしたよ。おや、足に何か光る物が付いている。おや! 鎖だ! 鎖だ!
女三 銀の鎖だよ。
女四 装飾品のように、手奇麗に美しく出来ている。でもやっぱり鎖は鎖だわね……。
女五 でも、胸にはあんな美しい胸飾りをつけている。
女六 でも、鎖が足に付いていては、可愛そうだわねえ。
女一 悲しそうにしているわねえ。涙が絶えず溢れているような眸をしているわねえ。
女四 可愛そうに。あれでは妻だか女奴隷だか分らないわねえ。
男三 もうもう金で買った丈に、安心が出来ないんですよ。それに年が、親子ほどにも違いますからね。
女二 いくら違っていましょう。三十は違っているでしょう。
女三 そんなでもないわ。女だって、もう二十四五にはなるわ。
男一 もう、五十を越しているくせに、あんな若い女房をつれ廻していやらしい老爺だな。