Classici giapponesi con furigana
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ちょうさきかん
中井正一評論集
中井 正一
Leggi 中井正一評論集 (ちょうさきかん) di 中井 正一 (なかいまさかず) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.229 caratteri · 256 schermate
私はこの時、古い中国の物語を思いだした。昔中国の物語に次のようなところがあった。徹宵夜の守りについた将軍が、じっとその任務に従っていたために、その甲冑、そのくさずりに、氷がいっぱいはりついてきた。夜が明けて彼が初めて立ちあがる時「鏘然として声あり」シャラランとその甲冑の上を氷が滑り落ちていく、というのである。
この一節を読んで、実に美しいと思った。自分の心の中の滞っているもの、古いものが、落ちていく音を、今、聞いた思いをしたのであるが、今またツェッペリンの巨大な船体から大空の中に、落ちいく氷の、一片一片の音のない脱落の音は私の心を実にゆすぶったのだった。ここに新しい機械時代の詩が生まれでようとしているのに気づかずにいられない。まさにアメリカ映画の『Sealing o』はそれらに似たテーマを題材にしようとしていたことがあった。
美は常に、無限に変りつつあるといえる。しかも、それは新しい人間像を、新しい人間像を、と追い求めているともいえる。しかしそのすべての美が、脱落のもつ美しさが、滞るものからみずから逃れようという、そのきっかけにおいて、たとえ自分についている薄い氷のようなものが、甲冑の上をさらさらと流れ落ちるのであれ、ツェッペリンの上を流れ落ちるのであれ、鏘然と流れ落ちていることに変わりないのである。