Classici giapponesi con furigana
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ぼしぞう
久生十蘭短篇選
久生 十蘭
Leggi 久生十蘭短篇選 (ぼしぞう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.344 caratteri · 96 schermate
いくら年月がたったにしろ、あのいきさつを考えたら、かりに東京へ出てきたって、厚顔しく電話なんかかけて来れる義理はないのよ。だいいち東京へ出てくること自体、あまり人をバカにした話でしょう。木津さんに回状をまわして、大真面目な顔で年忌までやったあたしたちの立場がどうなると思っているのかしら。木津さんはひっこんでいるからいいようなものの、銀座あたりで二人がひょっこり逢いでもしたら、あんな大嘘をついた手前、木津さんに合わせる顔ないわ……あなたはそうでしょう。木津さんを釣っておくためなら、どんなことだってするひとなんだから、バレたらあやまればいいと思っているんでしょうけど、あたしのほうは悪かったじゃすまないのよ。それはそうだろうじゃありませんの。志貴子さん、お亡くなりになったんですってねえって、久能徳のうしろにくっついて、まっさきにお悔やみに行ったのはあたしなんだから、罪が深いわ。
モシモシ、電話、遠いわね。聞えて?……逢ったわ。もちろんよ、志貴子なんかの話をきいてやる筋は、あたしのほうにはないわけなんだけど、いい気になってほっつき歩かれでもしたら事だから、うんととっちめて、昨夜にでも、大阪へ追い返してやるつもりだったの……銀座のボン・トンで。