Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ここのつのかぎ
九つの鍵
野村 胡堂
Leggi 九つの鍵 (ここのつのかぎ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.349 caratteri · 42 schermate
去年某新聞のコンクールを通って、一ぺんにその天才を認められ、日本楽団の大きな発見とまで言われましたが、年を越してようやく先輩や恩師の後援で、最初の独奏会を開き、新人のデビューとしては、まさに空前の成功を納めての帰りだったのです。
兄の三郎は二十才、大学では数学をやっていますが、頭がいい上に体力が非凡で、ラグビーの選手として、学生スポーツ界に知らない者はありません。五尺七寸余りのみごとな体格と、明朗闊達な気風は、優生学上の見本にして、将来の日本人の理想型にしたいような青年です。
「お兄さんは、どうお思いになって? ほんとうに出来がよかったでしょうか、――私は新聞や音楽雑誌の批評が心配でたまらないんだけれど」
愛子はさすがに娘らしく、そんな事を気に病んでいるようです。
「そりゃ大丈夫さ、悪口を言う奴はピアノがほんとうにわからないんだよ、――ぼくは酒を呑まないけれど、酒に酔った心もちは、ちょうどあんなぐあいだろうな、ピアノを聴いているうちに、こうボーとなって」
「まア大変ね、メチールでなきゃいいけど」
「こいつめ」
ふたりはそんな事を言って、正月の夜空にわだかまりのない笑いを響かせました。