Classici giapponesi con furigana
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くねんぼ
九年母
青木 正児
Leggi 九年母 (くねんぼ) di 青木 正児 (あおきまさる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2509 caratteri · 5 schermate
夏に家の近くの海で泳ぐ時、もぐっては石崖に付着しているこの貝を取るのが面白く、十数個もたまると持って帰って茹でてもらい、木綿針の先で、ぐるっと廻して、ほじり出しては食べる。よい加減の塩気があって磯くさく、旨いというほどでもないが、楽しいことであった。泳ぐ時、底にもぐるとミルがいくらでもあるので、子供たちは取って遊んだ。何にするというでもない、ただ取るのが面白く、あとはそこらに捨てて帰るのである。後年京都に来て驚いた。刺身の妻にミルが付けてある。あんなものを食べるのかと、海に遠い京都の人を気の毒に思った。
最後に私の最も好んだ海味を一つ付け加えるならば、それはメノクキである。「芽の茎」という意味らしいが、若布の生え始めに芽が五、六寸か七、八寸伸びて、まだ葉の出ない前の茎である。ゆえに完全には「ワカメのメノクキ」と呼んだ。これを適宜に切って三杯漬にすると、こりこりとして歯切れが良く、何とも言えぬ味のものであった。今食ったら、さぞかし酒の肴に珍妙であろうが、いやもう駄目だ。こう歯が悪くなっては。
(あおき まさる、京大名誉教授・中国文学、三六・七)