Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ふたつのにわ
二つの庭
宮本 百合子
Leggi 二つの庭 (ふたつのにわ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.492 caratteri · 389 schermate
そういうことに潜んでいる和一郎や保にとっての人生的な危険を、多計代は全く気づこうとしないのであった。佃がどういう性格であったにしろ、多計代からこうむった侮辱は度をこした。そのことのために、伸子は佃を気の毒に思わずにいられなくて、自分が妻として佃にたいして抱く苦しさの解決さえもかえってのばしのばしした。
「お母様、ほんとにいつになったら、自分の娘を一人前と思えるのかしら……友達を信じないってことは、娘を信じないことなのに――」
多計代が、いいつのろうとする機先を制して泰造が、
「いいじゃないか、多計代。よろこんでやって、いいじゃないか」
といった。
「あんな小さい赤ん坊だった伸子が、こうやって一人で外国へまで行くようになったんだ」
多計代は、その言葉で感傷を動かされ、しばらく黙った。
「それゃ、わたしだって、よろこんでいるんですよ。それにしてもね」
「吉見、だろう。そう拘泥するもんじゃありません。お前だって伸子一人遠くへやるより、ああやって一緒のひとがいる方が、どんなに安心だかしれないじゃないか」
「…………」
多計代の釈然としない理由は、伸子によくわかった。多計代の心には、この旅行についても素子が伸子をどこかで利用しているにちがいない、と思いこんでいるのだ。