Classici giapponesi con furigana
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にじゅうさんばんち
二十三番地
宮本 百合子
Leggi 二十三番地 (にじゅうさんばんち) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.579 caratteri · 27 schermate
「孝ちゃんの家が又来た。
と報告した。
「孝ちゃんの家が?
まあそうなの、又来たの。
じゃああの小っちゃな女の子も居るの、
いやな顔をした親父さんも。
「うん、
何だか赤坊が二人ばかり殖えた様だ。
「まあそうかい。
一寸母様、孝ちゃんの家が来たんですってさ、
ほんとに可笑しいわ。
一体どうしたってんだろう。
私は一年程前まで居た「孝ちゃんの家」にくっついて居る種々な話を思い出して笑わずには居られなかった。
何でも夏だったと覚えて居る。
主人は勤めに、子供達は学校に行ってしまって静かになって居た孝ちゃんの家が急に大騒ぎになった。
何だか彼んだか訳の分らない事を二色の金切声が叫びながら、ドッタンバッタンと云うすさまじさなので、水口で何かして居た女中達は皆足音をしのばせて垣根の隙――生垣だから不要心な位隙だらけになって居る――からのぞくと、これはこれはまあ何と云う事だろう。
奥さんと、女中が啀み合いの最中なのであった。
ヒステリーらしい奥さんはギスバタして痩せて居るし女中の方は苦しそうにまで肥って居る。
その二人が夢中になってやって居るのだから恐ろしいも恐ろしいが先ず可笑しさが先に立つ。