Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にじゅうしのひとみ

二十四の瞳

壺井 栄

Leggi 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 113.429 caratteri · 227 schermate

Aozora Bunko

まるで、よその村へきたような変りかただった。海べりの家ではどこもみな、屋根がわらをはがされたらしく、屋根の上に人があがっていた。だれひとり先生にあいさつをするゆとりもないらしいなかを、先生もまた、道に打ちあげられた石をよけながら、自転車を押してやっと学校にたどりついた。門をはいってゆくと、どっと一年生が走ってきて、とりまいた。そのどの顔にも、生き生きとした目の光があった。それは、昨夜のあらしのおとずれを、よろこんででもいるように元気なのだ。うわずった声の調子で、口ぐちに話しかけようとするのを、少し出しゃばりの香川マスノが、わたしが報告の役だとでもいうふうに、その声の高さでみんなをおさえ、

「せんせ、ソンキのうち、ぺっちゃんこにつぶれたん。蟹をたたきつけたように」

マスノのうすいくちびるから出たことばにおどろき、だんだん大きく目をみひらいた先生は、顔色さえも少しかえて、

「まあ、ソンキさん、うちの人たち、けがしなかったの?」

見まわすと、ソンキの岡田磯吉は、びっくりしたのがまださめないようなようすで、こっくりをした。

「せんせ、わたしのうちは、井戸のはねつるべの棹がまっ二つに折れて、井戸ばたの水がめがわれたん」