Classici giapponesi con furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Leggi 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 113.429 caratteri · 227 schermate
水がめがわれてしもたん」
今朝きいたことをマスノはくりかえして母に語っていた。ふんふんといちいちうなずいていたマスノの母親は、半分は先生にむかって、
「岬じゃあ船がながされたり、屋根がつぶれたり、ごっそり壁が落ちて家の中が見とおしになった家もあると聞いたもんですからな、びっくりしてきたんですけど、つるべの棹ぐらいでよかった、よかった」
マスノの母親がいってから、
「マアちゃん、ごっそり壁が落ちたって、だれのうち?」
マスノはかかえていた石を、すてるのをわすれたように、得意の表情になって、
「仁太んとこよ先生。壁が落ちて押入れん中ずぶぬれになってしもたん。見にいったら、中がまる見えじゃった。ばあやんが押入れん中でこないして天井見よった」
顔をしかめてばあやんのまねをしたので、先生は思わず吹きだしたのである。
「押入れが、まあ」
そういったあとで、笑いはこみあげてきて、ころころと声に出てしまった。なぜそんなに先生が笑いだすのか生徒たちにはわからなかったが、マスノはひとり、じぶんが先生をよろこばしたような気になって、きげんのよい顔をした。みんなはいつかよろずやのそばまできていた。