Classici giapponesi con furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Leggi 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 113.429 caratteri · 227 schermate
よろずやのおかみさんはすごいけんまくを顔に出して走りよってきて、先生の前に立った。肩でいきをしながら、すぐにはものもいえないようだ。きゅうに笑いを消した先生は、すぐおじぎをしながら、
「あら、失礼いたしました。しけで大へんでしたなあ。今日は石ころ掃除のお手つだいをしていますの」
しかし、おかみさんはまるで聞こえないようなようすで、
「おなご先生、あんたいま、なにがおかしいて笑うたんですか?」
「…………」
「人が災難に会うたのが、そんなおかしいんですか。うちのお父さんは屋根から落ちましたが、それもおかしいでしょう。みんごと大した怪我は、しませなんだけんど、大怪我でもしたら、なお、おかしいでしょう」
「すみません。そんなつもりはちっとも――」
「いいえ、そんならなんで人の災難を笑うたんです。おていさいに、道掃除などしてもらいますまい。とにかく、わたしの家の前はほっといてもらいます。――なんじゃ、じぶんの自転車が走れんからやってるんじゃないか、あほくさい。そんなら、じぶんだけでやりゃあよい……」
あとのほうはひとり言のようにつぶやきながら、びっくりして二の句もつげないでいる先生をのこして、ぷりぷりしながら引きかえすと、となりの川本大工のおかみさんに、わざとらしい大声で話しかけた。