Classici giapponesi con furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Leggi 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 113.429 caratteri · 227 schermate
「これからは、だまってやこい行ったらいかんで。ちゃんと、そういうて行かにゃ」
「そういうたら、行かしてくれへんもん」
「そうじゃなァ、ほんにそのとおりじゃ。ちがいない」
おばんはふるえるような力のない笑い声でわらい、
「でもな、なにがなんでも飯だけはたべていかんと、からだに毒じゃ」
そういわれてコトエは、先生の家でごちそうになったキツネうどんを思いだした。思いだしただけでも唾が出てくるほどうまかったキツネうどん。空腹はキツネうどんの味を数倍にしてコトエの味覚にやきついていた。
その後も彼女は、何度かキツネうどんの話をしては、大石先生を思いだし、先生を思いだしてはキツネうどんを思いうかべた。思いがけず先生がやってきた今、彼女はまた、あの遠い道とキツネうどんを思いだしながら、聞いたのである。あんな遠い道を、歩いてエ? と。しかし、コトエでなくとも、子どもらは、今日の先生を、ふたたび学校へむかえたものと考えていた。だれもうたがおうとしない態度を見ると、先生は、上陸第一歩で今日の目的をはっきりさせるべきだったと思った。
お別れにきたのよう……
そう叫びながら船をおりたら、そくざにそのような雰囲気が生まれたろうにと、くやみながら、コトエのことばにしがみつくようにして、ゆっくりといった。