Classici giapponesi con furigana
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にじゅうしんぞう
二重心臓
夢野 久作
Leggi 二重心臓 (にじゅうしんぞう) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 65.188 caratteri · 129 schermate
臨検してみると「ヤア君か」といったアンバイでね。ハハハ。話すと面白い男だよ。誰でも初めて劇場で合うとこの男を劇場主の轟と間違える位、立派な風采じゃがね。そいつが来てその日の事務の打合わせが済むと、一時か二時頃から三人同伴で劇場や、新聞社に行く事もあれば、別々に行く事もある。帰って来るのは大抵夜中の十二時前後で、その時も三人別々だったり一緒じゃったりするが、早い奴から湯に這入って軽い夕食を摂る。笠支配人はいつも麦酒を飲んで少々ポッとしたところで自動車を呼んで丸の内のアパートへ帰る……かドウか、わからないがね。残った二人の中で主人の轟は事務室の片隅の寝台へ寝る。呉羽嬢は二階の別室に寝るのじゃが、その時に呉羽嬢は寝室の鍵をやはりガッチリと掛けて、その上から今一つ差込の閂まで卸すとモウ誰が来ても開けない。もっとも寝がけに睡眠剤を服むらしいがね」
「轟氏の方は……」
「呉羽嬢が「おやすみ」を云うたアトで三十分か一時間ぐらい手紙を書いたり何か仕事をするのが習慣になっとるらしいが、その時には必ず浴衣に着換えている。そうしてこれも何か知らん薬を服んでから寝るらしいがね」