Classici giapponesi con furigana
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ごかいのまど
五階の窓
森下 雨村
Leggi 五階の窓 (ごかいのまど) di 森下 雨村 (もりしたうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.990 caratteri · 26 schermate
おまけに、ドアを押すとわけなく開いたんで、こいつはうまいと思って、さっさと持ってきたんです。ところが、なにしろ時刻が時刻なもので、途中で開けるわけにもいかず、家まで来て開けてみると驚きましたね、読めもしない書類ばかりで、金目のものはなに一つ入っちゃいないんです。あんな当ての違ったばかばかしいことったら近ごろありゃしません。総体、昨日はしけでしてね。てんで――」
「よくしゃべるやつだな。余計なことまで言わんでいい。それよりも、いま一度念を押して訊くがね、金は途中で抜き出して銀行へでも持っていったんじゃないのかい」
「旦那、冗談にもほどがありますよ。二千円なんて現金が入ってたら、だれが今朝あたり稼ぎになんぞ出るものですか。そんなに根性の卑しいやつは、あっしらの仲間にゃいやしませんよ」
「そうかねえ。掏摸ってものはそんなに肚のいいものかねえ」
小西警部は笑いながら言ったが、それは反語でも嘲笑でもなかった。そうした犯人を長年取り扱った経験から、相手の言葉に偽りのないことは充分に認めてはいるものの、ただ盗んだ品が品であり場所が場所だけに、かなりしつこく訊いているのだということは、傍らの沖田刑事にもよく分かっていた。