Classici giapponesi con furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Leggi 人外魔境 (じんがいまきょう) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.384 caratteri · 42 schermate
それだのに、それが樹木化して切り株となる魔所といえば、それだけ聴いても、この「蕨の切り株」なる地がいかなるところか分るだろう。でまず、順序としてピルコマヨ川の、化物然たる不思議な性質から触れてゆこう。
ピルコマヨには、元来正確な流路がない。土質が、やわらかな沖積層で岩石がなく、そのうえ、蛇行が甚しいために水勢もなく、絶えず溢れ絶えず移動し、いつも決まりきった川筋というものがない。まったく、きょうの川は明日はなく、明日の湿地は明後日の川と、転々変化浮気女のごとく、絶えず臥床をかえゆくのがピルコマヨである。そうしてその流域のなかでもいちばん怖しい場所が、「蕨の切り株」のパチニョの湿地になっている。
これまでこの川は、水中植物の繁茂が実におびただしいために、櫂が利かず、遡ったものがない。従って、国際法でいう先占の事実というやつが、パラグァイ、アルゼンチンのどっちにもない訳である。日本人が、フランス人よりも先に新南群島を占めたため、いまは日本の領有となっている。その先占を、一九三二年の夏の終りごろに、いよいよアルゼンチン政府が決行することになった。
ピルコマヨが、「蕨の切り株」