Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

Leggi 人外魔境 (じんがいまきょう) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.384 caratteri · 42 schermate

Aozora Bunko

こっちも、そういう御仁相手でなけりゃ話しても無駄だし、また、大将なら乗ってくれるだろう。どうだ、いい値で売るが、いくらに付ける」

しかしその時、折竹は一つの石をじっと見詰め、じつにブラジル産にしては稀ともいいたい、その石の青色に気を奪われていた。小石ならともかくこうした大型良品にあって、美麗な瑠璃色を呈すとは、じつに珍しい。ブラジル産にはけっしてないことである。

「君、これはブラジルのじゃないね。南阿かね、英領ギニアかね」

「どうして、泥のついた掘りたてのホヤホヤだ。といって、ブラジルでもなし蘭領ギアナでもない。こいつは、おなじ南米でも新礦地のもんだ」

出様によっては、なにかそれに就いて言い出したかもしれないが、あいにく折竹はダイヤなどというものに、熱や興味をいだくような、そんな性格ではない。その男も、折竹の態度にアッサリとあきらめて、もとのポケットへポンと突っこんでしまったのだ。

「これはね、じつは俺には宝のもち腐れなんだ。この国は、脱税品がじつにやかましい。うっかり持っていようものなら、捕まってしまうんだよ」と、いよいよさようならというようにニッコリ笑い、一、二歩ゆきかけたが、立ちどまって空を仰いだ。