Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

Leggi 人外魔境 (じんがいまきょう) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 101.713 caratteri · 205 schermate

Aozora Bunko

いろいろ、ご都合もあろうし、駈け違ったことと思っていましたが」

と、やがてあの不思議な手紙を折竹に出したについての、極洋に横たわるという知られない国の話をしはじめた。

「折竹さん、あなたは五年ほどまえ北極探検用として、潜水客船というのを考案したミュンツァ博士をご存知ですか」

「知っています。じゃ、おなじミュンツァとなると、あなたは?」

「あの、アドルフ・ミュンツァは僕の父です」とクルトは感慨ぶかげに言うのだ。

「父は、ご存知のとおりの造船工学家でしたが、極地の大氷原を氷甲板として、そこに新ドイツ領をつくろうという、夢想に燃えていたのです。新極北島――と、父は氷原上の都市をこう呼んでいましたよ。ところが、まもなく一隻を自費でつくりあげ、一九三三年には極洋へむかいました。僕は、体質上潜行に適しないので、捕鯨船の古物である一帆船にのって『ネモ号』というその潜船に蹤いていったのです。すると、運の悪いことには半月あまりの暴風雨。無電はこわれ散々な目に逢ったのち、『ネモ号』を見失って漂流一月あまり。やっとグリーンランド東北岸の“Koldewey”島の峡湾に流れついて、通りがかりの船を待っていました」